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Happiness
「「「「「「どんなに小さな蕾でも ひとつだけのHappiness〜♫Yeah yeah yeah♫Yeah yeah yeah♫Yeah yeah yeah yeah♫ 」」」」」」
最後の一節を歌い終え、描さんのギターが力強くストローク?され、曲が終わると同時に
事前に言われていた最後の決めポーズ?を6人で決めて…
一曲限りの?秋ちゃんの無茶振りライブは終わりを告げた
で、誰からともなく、皆で交互にハイタッチを交わしていく
正直、疲れた…
それも前職で目標を一発で仕留めなきゃ…って時より疲れてる気がする…
でも、カフェ美宙のメンバー全員で完遂出来た、その気持ちが心地良い疲れにしてくれている
ハルちゃんが熾してくれた焚火のお陰で肌寒くはなかったけど
中天に満月が浮かび、私達を照らしてくれていた
前職時代、ゆかりや泰子とカラオケに行ったことはあるけど…声に出して、それもお腹の底から声を出して、こんなに歌って楽しいんだと思えたのは、正直初めて
「ししょー、焚火の跡は明日片付けるっすから、取り敢えず火を消すだけで勘弁してほしいっす」
「秋さん、プリンの約束、忘れないでくださいよ!」
「冴香さん、いつまで猫さんにくっついてるんですか!撤収しますよ!」
「秋さん、この映像、SNSに上げたりしませんよね?ウチら顔出しNGなので」
なぬ?SNS?そんなの聞いてない!ってか、iPadで録画してたのか?私はてっきり録音してるだけだと思ってたんだけど!
「当たり前でしょ!これは一応Shoottのカバーアルバムの一曲になってるんだから、音声だけが円盤化されるだけよ?」
え、円盤化〜?私達のHappinessが〜?
そ、それはちょっとプロとしてどうなの?
私の疑念に応えるように
「冴香ちゃん、いい?誰でも最初からプロじゃないのよ?場数を踏んで、才能とタイミングが一致してはじめてプロと呼ばれるようになるのよ?まあ、この先またお願いする事があるかもしれないけど?あ、主にネコにね」
ニヤリと笑って秋ちゃんは人の悪い笑顔を描さんに向けた
これは…今夜のような即興ライブがこの先にも行なわれる可能性を示唆しているような…
出来たら心の用意が必要なので、事前に〆切日とか教えておいてもらえたら…私、北村冴香は強くそう思った
で、描さんを見上げると苦笑いしながら大きな溜め息をついていた
どうやら私達は同じ意見なようだ
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