そのダウン、容疑者

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旅行は長野スキー場。 サークル13名が部屋を割り当てられて過ごす。 「うぅーさみ~。」 俺は身体を起こす。スマホの時間03:47。みんなが眠っているところで眼を覚ましてしまった。 「あー、なんか…温かいもの…飲みたいな…。でも俺の上着、もうしまったな…。そうだ!隣の大貴(ヒロタカ)のやつを借りよう。身体つきも同じくらいだし、通路の自販機行くくらいいいだろ。」  俺は自分の上着をかける空のハンガーの隣にかかるグレーカラーのダウンを纏った。 部屋を出て、いくつもの部屋が並ぶ通路の先にラウンジのような広間。そこに自販機がある。温かいコーンスープはこのときは神がかり的にうまい。 そして部屋に戻ろうと両手をポケットの中に手を入れた。 ポケットの中、妙な違和感。 手の先に触れる硬質物。 俺はそれを取り出した。 「……なにこれ?…交通ICカードか。」 見慣れぬ黄色いカード。少し離れた地下鉄で使用されている交通ICカードだ。 「こんな所に入れていたら落としたりするぞ。全く不用心だな。」 そして部屋に戻りダウンを元の場所へかけて眠りについた。
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