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「…実はこの中に荷物があって…ただ、鍵にしたICカードを無くしてしまって…。開けることできますか?」
「…なるほど…。因みにどこですか?」
「あ…いや、あっちで電話している友人のなんで…詳しくは…。」
「…なるほど。」
駅員がロッカーを確認する。
「…今、使われているのは8番だけですね。少し確認します。」
そう言って駅員がその場を離れた。
すると別のスタッフと駅員が戻ってきた。
「…では…少々確認したいのですが、ご利用者の氏名を。」
「…あ…、あいつ…だから…。」
俺は電話している大貴を指さした。
駅員もスタッフも少し顔を合わせた。
大貴が電話を終えると俺はすぐに呼んだ。 「この人が管理会社だから開けてくれるってよ。」
「…え?」
何故か動きが止まる大貴。
「…では…ご利用者の氏名を。」
「………。すみません、少しトイレを。」
大貴はその場を逃げるようにした。
「おい!大貴!?」
俺は声を上げるが大貴は人混みの中に消えていく。
「……。因みにですが…。今の…彼は…大貴さん?」
「は…はい?」
「ロッカーの利用者は高岡幹雄となってます。」
「え?…場所でも…間違えたかな?」
「……一応…お話を伺ってもいいですか?」
「は、はい?」
何故か俺が駅員や管理会社の人と同行することに。
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