願い事を更新しました

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願い事を更新しました

それからは、私達はキスを日課にした。それ以上はしなかった。そしてしばらくして私の小説が遂に書籍化された。ドキドキしていた。口コミ見るのが怖かったので見ない。だが、売り上げはすごい。新作で堂々と置いてあり、その作品を手に取り、ペラペラと読み始めその小説をレジに行き購入してくれたお客さんが大勢いた。中には、完売した店もあった。今売れている小説トレンド入り6位にもなった。レックスが祝いの品、手帳をくれた。わたくしと同じですと言う。嬉しかった。重茂聡美さんが、やはり、私の目にくるいはなかったわ!!と言う。よくやったわ!!と言い、万年筆をもらった。私の名前つきだ。それと、エブリイの大賞ももらえた。私は喜ぶ。芽依ちゃんの漫画も書籍化された。これも完売した。彼女も読みたい漫画にトレンド2位になった。私達2人は喜んでいた。黒沢光太郎さんが祝いにバイキングに連れて行ってくれた。お二人さんおめでとう!!と言い、レックスも連れて行った。黒沢さんと重茂さんとレックスは仲が良い。お酒を3人で飲んでいた。そして酔っている重茂さんは私に言う。2人はどこまで進んでいるの?と聞いてきた。私はどう言う意味ですか?と聞く。つまり、エッチしてるの?と聞いてきた。私は顔を真っ赤にしながら、キスはしているが、エッチなことはしてないですよ~!!と答えた。あなた、美香ちゃんの作品はどれも素晴らしいわ。けど、エッチな書き方はまるでモザイクかけ過ぎだわ!と言う。芽依ちゃんは今のままで大丈夫だからね!?と黒沢さんは言う。君にはまだ早いと父親みたいなことを言う。私と芽依ちゃんは顔が真っ赤だ。だってまだ16歳だよ?レックスとはキスしてるけど、私の身体は貧相だし、年上好きだけど、私なんかに興奮なんてしないだろうと思った。レックスは無表情で私を見る。また顔がブワッと真っ赤になった。彼もお酒飲むが表情が読めない。レックスが重茂さんに聞く。エッチしたほうがいいのですか?それがいい作品に繋がるのでしょうか?と真剣に聞いている。黒沢さんと重茂さん2人はいい作品になるに違いない!!と断言する。黒沢さん曰く、文章自体は悪くないが、こう淫美な文章もあれば、君はもっと輝くぞ!!と大きな声で説明する。楽しい時間は過ぎた。みな、帰って行く。明日は土日だから、学校はない。重茂さんの言葉が頭から離れない。恋人ならエッチしないと駄目ね。特に男は辛いのよ?と言うのを思い出す。悶々としていたが、男の人は、処理しないと大変だと参考書で読んだことがある。けど、彼は人間ではない。それが当てはまるか分からないよ!と真剣に考えると、美香さん、けやき通りを歩きませんか?と提案してくれた。私は現実に戻り、良いよ。歩こう。と返事した。イルミネーションが綺麗だった。小さな頃お母さんと一緒に見ていた。あの家族とは、見ていない。門限があり駄目だったのだ。彼と出会い、1年が終わりそうだ。毎日が楽しい時間だった。彼の仕事は古美術品を取り扱う仕事をしていて、また株もしていて、私は驚いたのだか、貯金額15億らしい。通帳たくさん持っていた。そして、私の作品も売れたので、ほとんど、遊べるのだ。美香さん、と言い新潟駅南口の広場で、彼は私のくちびるに軽いキスをしてくれた。私が壊れないようなキスだった。そして、願い事ありますか?と聞く。私はこのやり取り懐かしいなと思い笑った。そして、私は勇気を出した。レックス、私、貧相な身体だけど、性格も暗いし、どんくさいけど、私のこと抱いてくれる?処女をもらってくれる?と半ば泣きそうに言った。彼は人間ではない。きっと、人間の私なんて抱いてくれないだろう。美香さん、本当にその願いでいいんですか?!と聞いてきた。わたくしのチカラであなたにふさわしい男性紹介できますよ!?ヘビ憑きのわたくしを抱いたら、不幸が来ますよ?と普段よりもリアクションが大きい。それに、と彼は続けて言った。ヘビ憑きとエッチなことをしたら、普通のエッチが出来ないですよ?それでもいいんですか?!とワザと嫌われるように言ってきた。私は、レックスとしたいの。私が人間だから駄目なの?と聞いた。彼はため息を漏らす。人間とするのは初めてなんですよ。と彼は言った。ふところから例の手帳を出す。何か書いている。レックス曰く、人間と交わるとは、つまり、夫婦にならないと駄目なのですよって説明してくれた。私はレックスが好きだった。レックスは私のこと嫌い?とイジワルしてみた。レックスは、抱きしめてきた。何十年も生き続けましたが、岡田美香さん、これが恋と言う感情なんですね?と無表情だが、両目から涙を零している。この書類にサインしてくれませんか?と怯えているように紙を渡す。夫婦になってくれますか?と書いてあり、私はサインした。彼は初めての感情らしく、いつもの無表情が僅かに緩んでいる。私は忘れない。そして、私達は恋人から夫婦に願い事を変えた。これが後に奇跡を起こすなんてわからなかった。
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