私達はいつも一緒だ

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私達はいつも一緒だ

新年が明けた。私達は恋人から夫婦になった。エッチなことはしなかった。正直まだ不安だった。けど、してみたい気持ちがあった。そんな私の気持ちを理解してるのか分からない無表情のレックスは、正月料理を作ってくれた。やはり、美味い。私も料理にトライしたが、みな焦げた。レックス曰く、人には得意分野がありますから、美香さんは仕事してください。とフォローしたが、あまり嬉しくない。いつか料理出来るようにしてやると決意した。レックスが言う。美香さん、新年ですから、外出しましょうと提案してくれた。パソコンをイジるのもいいですが、やはり、人間は日の当たる場所に出かけないといけません。と提案してくれた。小説のネタにも繋がりますよと言う。私は彼の意見に賛成し外出用の服に着替える。私はふと思った。ヘビってこの時期冬眠するんじゃないかと。レックスに聞いてみた。レックスは、なんか眠そうに見える。彼はそれを隠しているように見えた。やはり、分かりますか?と言う。この時期だとわたくしは冬眠します。寒さで身体が上手く動けないですと言う。私はホッカイロを出し、彼に渡した。人間じゃない彼にとって冬はキツいらしい。新年の挨拶を重茂さんと黒沢さん、芽依ちゃんにLINEした。一応、年賀状も出していた。みんなから年賀状を貰った。白山神社に2人で行った。すごい人だかりだった。レックスが私の手を繋ぐ。まだ手が冷たい。私はレックスに手袋をあげた。本が売れたおかげでお金に余裕ができた。それで、彼に、プレゼントをした。無表情な彼だが嬉しそうに手袋をした。暖かいです。と一言言う。私はこの今年良いことありますようにとお賽銭を入れた。レックスは、入れない。どうして入れないの?と聞いてみた。彼曰く、白山神社の神様は、今、不在みたいですねとポツリと言う。私は、はい?と聞き返した。わたくしも一応神様みたいな存在ですからね。と眠そうに答えた。神様は普段、あっちこっちと仕事をしています。ですが、新年は自分の神社に帰りません。みな新年会しますね。ベロベロになるまで飲み続けます。1週間位してから、神社に戻ってきますねと説明してくれた。巫女さんの1部に、自身のチカラを付与してから、新年会をしてますから、お賽銭入れても、ほとんど叶いませんよ?むしろ、巫女さんに絵馬を選ばして願い事を書いた方がいいですよ。と言う。神様達も新年会するんだ!?と驚いた。レックスが続けて言う。神様達も忘年会や新年会もしますし、皆さんのイメージする、天使や死神も、居酒屋に行っていろんなグチをこぼしますよ?と言う。私のイメージが崩れた。マジですか?と聞くと、はい、そうですよ?と当たり前のように答えた。神様?のチカラを宿した巫女さんをレックスが探した。若い人だ。そして絵馬を書いた。ハートの形の絵馬を選んでもらった。そして、願い事を書いた。ずっと一緒にいられますように。と書く。レックスは、書かない。わたくしも神様みたいな存在ですから、願いはある程度叶えられますし、他の神様が近づくと、嫌がるのです。だから、書きません。と言う。この話しは面白いので、小説のネタにした。 レックスが言う。美香さん、これから、新年で楽しい時間ですが、これから、あなたに運命の選択が迫って来ますよと言う。未来が見えるレックスの言葉は絶対当たる。それは、訪れた。汚い格好をした、私の元家族達だった。私達に気づいた義理母と義妹と父親が私達に話しかけてきた。父親が言う。お前、小説家デビューしたんだってな?お金入ってきたんだろ?いくらかくれないだろうか?と言う。レックスが言う。とりあえず、レストランに行きましょうと提案した。喫茶店だ。ここはわたくしが奢りますから、どうぞ、お食べください。と言う。3人とも、腹ペコらしく、大盛りで食べる。私は聞いた。なんで、そんな状態になったの?と聞いた。父親が言う。真剣な表情で説明した。パワハラでクビになったんだ。失業手当を貰ったが、すぐに無くなり、今も仕事探しているんだ。義理母も仕事探しをしているが、見つからないと言う。レックスが言う。2人で、ギャンブルすれば、失業手当なんてすぐに無くなりますよ?と。両親は驚く。彼は、さっきまで、見てたように、しゃべる。義妹はパクパクと食べる。君も食べるのやめなさいと義妹に言う。義妹はやめない。君、イジメをした相手に訴えられていますね?それが原因で学校にも通ってないみたいですね?と言うと、義妹は冷や汗をかき食べるのを止めた。今、3人共、詰んでいますね?と冷静にレックスは言う。頼む!!助けてくれ!!!と父親が言う。義理母と義妹も助けてくださいと言う。レックスは続けて言う。いくら欲しいですか?と言う。私は、驚く。助けないと思ったのだ。父親が100万あるならくれ!!と言う。レックスはふところから、封筒を出した。そして、ここには、200万あります。このお金渡したら、2度会わないと誓いますか?と聞く。3人は、笑顔で、分かった!!2度と会わないと言う。レックスは書類を鞄から出し、3人にサインさせた。絶縁状だ。彼らは、もう私の家族ではなくなった瞬間だった。そして、現金200万貰った3人とお別れした。私は聞いた。200万なんで払ったの?!大金だよ?と。レックスはやはり未来が見えると再度思った。 レックスは言う。美香さんにとってあの家族は害を与える存在です。そして、今から15分後、彼らは、事故を起こします。飲酒運転ですね。しかも、義妹がイジメた子どもが相手で、完全に訴えられます。彼らは200万を15分後に失ってしまうでしょう。明日、新聞に載りますよ?  私は驚く。止めないとと思い、動く。だが、レックスが止めた。駄目です。と私の左手を掴む。これは、彼らの人生です。運命を無理やり回避すると、大変な事になります。一応、元家族だが、育ててくれた。クズ扱いだったが、それでも助けたいと頼む。レックスは、もう間に合わないです。と言うと、近くから悲鳴が聞こえる。2人で向かうと、1台の車が電柱にぶつかっていた。周りには車に轢かれた人が多い。そして車から、私の元家族が、降りてきた。酩酊らしく、父親が怒鳴り声を出し、義理母と義妹は、軽症みたいだ。そして、私に気づいた父親が酔っぱらいながら、私になにか言おうとするが、周りの大人達に捕らえられた。それが、最期だった。レックス曰く、彼らの運命は変えられなかった。たとえ変えても、また、酷い運命にあっていました。と言う。 私は彼が怖くなった。見事に未来が見える事に。私は聞いた。私の死に方も分かるの?と。レックスは無表情で言う。美香さんの未来は、今、よく分からないんですよ。わたくしと夫婦の誓いの契約で、近い未来なら分かりますが、遠い未来は分からないです。ヘビ憑きのわたくしと契約した事で未来が読めないです。と説明してくれた。とりあえず、今、死相は見えませんよ?あなたには幸せになって欲しいですからねといい、抱きしめた。怖い感情を察知したのか、彼は、優しく抱きしめた。私も抱きしめた。
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