軽いわぁ。

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軽いわぁ。

宴席のお料理は和洋懐石でごさまいました。お腹いっぱい食べたわ。友人のご両親(おじ様おば様)とお会いするのは二十年ぶりくらいかしら。ワタクシだとわかった途端に表情を弛めたのでこちらもほっといたします。ワタクシはにこやかに無口にひたすらに食べておりました。酒しか口にしない友人が甲斐甲斐しくステーキを切り分けたりデザートをサーブしてましたわ。うむ。至れ尽くせ。ワタクシの下僕と成り果てなさいよ。 挙式も披露宴も恙無く終わり、産まれた時の体重の熊(両親への感謝の贈りもの)を、控え室でおばちゃん達が代わる代わる抱えてけらけら笑うのはワタクシの時代と変わらないわね。あの熊(ウェイトベア)はうちの実家にも居ます。弟が母に渡した熊。荷物になるのに帰路の特急も飛行機も抱えて移動する母親にげんなりいたしました。三キロ超えよ?正気を疑ったわ。でもまぁ今回のように引き出物が小さな手提げなら抱えて帰るのもありかもしれないわね。手提げは小さく軽い引き出物袋です。イマドキは中身はカタログよね?と軽くていいわ。ワタクシが十代の当時は重い引き出物が格式高かったの。でもだんだんとカタログになっていったわね。名前入りワイングラスより好きなワイン一本が断然嬉しいもの。 でも引き出物の手提げにギフトカタログの冊子は入ってなかったの。名刺サイズの紙にQRコードが付いていたわ。そうよね。招待状がLINEな時代にカタログブックなわけないわ。御祝儀も実は一部は電子マネーだったりしたのかしら。軽いのもなんだか寂しいわねぇ。
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