巻き込まれ召喚

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巻き込まれ召喚

結婚式に参席する栄誉をいただきましてワタクシ久しぶりの新幹線でございます。杜の都へと向かう新幹線は全席指定の快適仕様でワタクシは機嫌良くコーヒーととらやのひと口羊羹を楽しんでおりますが隣席の友人は電光石火ビールからの爆睡。友よ語り合うことがワタクシ達にはあるはずよね? レンタル着物は裾模様だけの黒染めの留袖でございます。いやまぁ振袖用意されても困惑しちゃうけどその派手な跳ねる兎は嫌よ?淡い色彩のちどりにしたいわ。え?ワタクシ?ワタクシの連れが新郎の叔父なのよ。あらいやだワタクシもうとっくに五十ですわよ。おほほほ。 ワタクシの幼なじみの一人に恐ろしく人当たりの良いロクデナシがおります。離婚歴も三回ともなれば察するものがありますでしょう?そんなヤツはうら若き二人が幸せを初める結婚式に参加するべきじゃないとワタクシは思います。新郎が、可愛がってくれた大好きな叔父さんを呼びたいのも理解は出来ます。しかし。甥っ子くんはヤツが三回目も離婚していることを知らなかったのですよ。周りも隠していたので知りようが無いんですけどねぇ。LINEで招待状が届いちゃう世の中では両親が止める隙も無かったのでしょう。ヤツに断る良心が存在して欲しかったわ。招待状に2回目の奥さんの名前入ってたじゃない。ねぇ、なんでちゃんと見ないで返したの。なんでワタクシが呼び出されなきゃならなかったの。ワタクシが着物着付けされてる間に姉兄に説教されるがいいわ。
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