おまけだから嬉しい。

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おまけだから嬉しい。

職人気質の友人が糸を買いに本土の最果てに行っておりました。次回はワタクシをお誘いになって?と強請ります。彼女が新幹線移動の暇さにメッセージを寄越した日、ワタクシも旅先でございましたので大したリアクションはとれませんでしたのよね。 お土産よ、と渡された両面こぎん刺しが施された手提げカバンの中には湯飲み茶碗と藍染めの栞。こぎん刺しの藍染栞は自作じゃないよ、買ったの、と友人は、そんなふうに裏糸の処理は出来ないよ、と真面目に言います。いや十分ですけど?友人が刺したカバンの内側の裏糸綺麗ですのに。ワタクシには職人の拘りがわからないようです。そして新幹線を乗り継いで訪れたこぎん刺しの里は目新しい糸も布も思ったようには出会えなかったそう。次回はワタクシも同行したいわ。アップルパイ巡りは考えておきます。ワタクシはリンゴは好きだけど、サクサクパリパリのパイ生地が得意じゃないの。 お土産の湯飲み茶碗は身は厚くされど飲み口は薄い、寿司湯呑みより円みを帯びほっそりと縦長の造作は一点物ね。これで呑むお茶は美味いわねとひと目でわかります。絵付は市松に柄入の夫婦湯呑み風で趣もあります。 それオマケなんだ。陶芸家さん亡くなられてて、形見分けがてら販売しててさ。母さんと自分用に二点購入したんだよ。そしたらひとつ好きなのどうぞってさぁ。だからねこに。 嬉しい。 オマケをワタクシのために選んでくれる友人が居る幸せをご存知かしら。薄い飲み口のカップが好きなワタクシを思い出してくれる貴女が友人で嬉しいわ。
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