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里見八犬伝
満を持しての里見八犬伝でございます。里見八犬伝はご存知でしょう。滝沢馬琴の名作ですね。ワタクシは活字が友達の幼少期ですからもちろん読んでおりましたが幼子には些か歪な冒険譚でありました。不可解が多かったのよね。犬に攫われた?いやいや犬は悪くなくない?え?なんで?と導入でつまづき、はらはらわくわくの剣劇に至る細部の機微は幼子には難しくありました。けれど残るモノはあり、真田広之さん薬師丸ひろ子さん主演の映画里見八犬伝は当時大スぺクタルアクションで映画館で鑑賞し金ローで何度も繰り返し観ておりました。よく出来たお話で大好きです。そして今回の里見八犬伝は、読本里見八犬伝を通した馬琴さんの生涯でございました。昭和の活劇風チャンバラ演出ファンタジー八犬伝と馬琴さんの暮らしを一体に紡いでいく演出を活かしきっている演者の布陣がとにかく素晴らしかったわ。連載のお話の続きを待つ読者のじれじれする気持ちを映画で味わえる妙でございます。あと個人的に妻役の寺島しのぶさんが素晴らしかったです。
ラストシーン。ワタクシにはアレは小説を書いている全ての人のファンタジーに思えました。違うかしら。ワタクシにはなんと羨ましき夢だろう、と思えましたのよ。
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