身近な科学

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身近な科学

 暑い日々が続いていますね。いかがお過ごしでしょうか。  私は移動の際、徒歩も多いのですが、この夏は暑すぎて日傘が手放せません。あまりに暑いので、日傘を新調しました。ちょっとお高かったのですが、とても快適にすごせています(暑いことは暑いですけどね)。  さて、私の出勤の道すがらに、欅並木があります。そこでは夜となく昼となく、沢山のセミが鳴いていて、蝉時雨の名の通り鳴き声が降ってきている状態なんです。  そこを日傘を差して歩いていた時。セミが賑やかだなと思っていたら、急にセミの声が大きく聞こえて驚きました。よっぽど近くで鳴いているのかと思いましたが、姿はありません。  不思議に思いながら、歩いていると、また急にセミの声が大きく聞こえてきます。そこでようやく気がつきました。  私は、その時、まだ高度の低い太陽に直交する向きで日傘を差していたんです。真っ直ぐではなく、斜めに差している状態。この日傘の状態がパラボラになって、セミの声を集音していたんです。  だから、全てのセミの声が大きく聞こえるのではなく、ちょうどパラボラに音の波が当たる位置にいたセミの声だけが大きく聞こえた、という訳です。  科学館にある、巨大パラボラ集音器でのヒソヒソ話の実験、あれが実生活の中で体験できました!  これが分かった瞬間、一人でワクワク・ドキドキしていました。せっかくなので、そのドキドキのお裾分け(笑)、としてこのエッセイに残します。  どんな傘でもできると思いますので、興味のある方は、ぜひ試してみられてください。あ、セミの声はかなり増幅されるので、通常より賑やかですよ。耳に響きます。  身近な科学を感じたお話でした。    2024年8月8日
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