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寒さで時はゆっくり進む
これは、実際に経験した話です。
ちなみにタイトルは、「遠方では時計が遅れる」という稲垣足穂の小説のタイトルをもじってみました。リリカルで科学的・哲学的な薫りもする本家とは全然違うけど(汗)。
その昔、とってもオシャレな掛時計を知人からいただき、部屋の壁に掛けていました。本当に素敵な時計で、雑多な家の中で唯一そこだけがオシャレ空間になっていました。
ただ、デザイン性が高くオシャレを優先させたが故に、実用性が微妙になく。パッと見た時に時間がわかりにくい、という欠点がありました。でもまあ、それはデザイン性との相殺なので、まあよし。
最も問題だったのは、寒くなると何故か時計が遅れる、ということ。
とても冷え込んだ日の朝、時計を見ると、針は3時ごろを示している。あれ?と思い、携帯を確認・テレビをつけ、時計が遅れていることに気が付いた。秒針は動いていたので、電池切れ間近なのかもしれないと、電池交換を行う。で、時刻も合わせた、その後は遅れる事なく過ぎた。
次の日の朝も冷え込みが強く。起床後、時計を見上げると、また示された時刻がかなり違う。時間が遅れている。前日に電池を替えたばかりだから、電池切れではないはず。また壁から時計を外し、時刻合わせを行う。
ということを、確か、そのシーズンは数回行った。
その時計が壁にかかっている間は、寒さを時間の遅れで実感していました。
今は亡きその時計から教えてもらったのは、寒いと時計は遅れるということ。つまり、寒いと時間はゆっくり進むのだ、という新たな時間の概念です(笑)。
なので、この季節に時計が遅れているのを見ると、寒さのために時間もゆっくりなのだと思えるのです。
ちなみに、今は実用一辺倒のアラビア数字で、時刻合わせ不要の電波時計が壁にかかっています。ローマ数字やオシャレな数字なし時計だと、それでなくても時計が苦手な私は、時間を読み間違えてしまうので(実際、職場で1時間間違えて、11時にお昼ご飯を食べようとしたことがあります……)。
私の理想の壁掛け時計は、全てアラビア数字の振ってある駅の時計です。
さてもさても、年度末の繁忙期、この寒さで時間がゆっくり進んでほしいものです。
2024年2月7日
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