玉ねぎこわい

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玉ねぎこわい

 ここに一つ、玉ねぎがある。  食べるべきか、食べざるべきか。それが問題だ。  玉ねぎ問答。  私にとって、食後半日の体調に関わる、大問題である。  私は加熱されていないネギ類(ネギ属の野菜全般。青ネギ・白ネギ・玉ねぎ・ニンニク・ラッキョウなど)を食べると、食後~半日程度、頭が痛くなる。私はそれを『ネギネギする』と呼んでいる。  非加熱のネギが頭痛を引き起こすことに気が付いたのは、小学校中学年の頃。この頃は、土曜日の午前中は授業があった(年齢がバレるけど)。  授業が終わると給食はなく、自宅に帰りお昼ご飯を食べる。ここでよく母親が作ってくれていたのが、トマトと玉ねぎスライスのサラダ。かつお節とポン酢をかけて食べる(結構おいしいので、生玉ねぎが平気な方はぜひどうぞ)。  おいしいし、普通に食べていた。ただ、なぜかこれを食べた日はその後頭が痛くなる。頭痛といっても、何も手に付かなくなるほど痛いわけではなく、頭が重いな~痛いな~という程度だし、次の日に引き摺るわけでもないので、そこまで気にしていなかった。  ある時、「コレ、玉ねぎが原因では?」と思い、サラダのトマトのみを食べて、あえて玉ねぎを食べなかった。そうすると痛くならない、ってことで気が付いた。玉ねぎの何らかの成分が合わないんだなぁと、小学生の私は気が付いた。  で、オニオンスープやカレーに入っている玉ねぎでは頭痛は起きたことがないので、非加熱のみダメ、ということが分かった。そこから、うどんに入っているネギもそういえば……と気が付き、今に至る。  このエッセイを書くにあたり、調べてみると、結構同じようにネギ類で頭痛がする人がいるようだ。私の周りには同様の人はいなかったため、見知らぬ人でもネギネギ仲間が居て、嬉しく思った。  私はアレルギーというほどではないので、生で食べたら頭痛がするのみ。それも半日程度経って、ネギ類の何らかの成分を分解?排出?すれば、何も問題はないようだ。  食べられなくはなからこそ、悩みは深い。これがアルコールであれば、「飲めないんですぅ」とか言って避けようもある。ネギだからこそ、なのだ。どうしたものかといつも思う。  生のネギ類、実は結構色々なものに入っている。以下の通り。  ・うどん、そば、ラーメン等の麺類  ・冷や奴  ・お好み焼き  ・ハンバーガー  ・サラダ  ・ドレッシング  生ではないけれど、火の通りが半生だと、鍋や焼き鳥も入る。  ネギ類は薬味としてよく使われている。料理の味を引き立てるので、ネギ類を入れるとさらに美味しくなる、という事は私も理解している。  だからこそ悩みが深くなる。美味しさを犠牲にするか、ネギネギすることを甘んじて受け入れるか。  生の玉ねぎサラダの、シャリっとした歯応えや味が良いことは知っている。うどんにネギを入れたら、味が締まることも知っている。ざる蕎麦のツケだれにネギを入れるとピリッとして美味しいことも。とんこつラーメンと白髪ネギが合うことも。  ということで、【ネギ類の入った】美味しそうな料理を目の前に据え、私は冒頭の玉ねぎ問答をするのである。  食べるべきか、食べざるべきか。  ああ、玉ねぎこわい。 2024年2月14日
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