いつか君に震えるだろうか

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「どうかな、私に興味は湧いたかな?」 「ああ」 「お、具体的に何?」 「自分の命を守るために、お前のこともうちょっとよく知らなきゃなって思った」 「サンキューベリーマッチョ!」  しーん。俺が冷めた目で見ていると「そこは笑うところだよ」と目を輝かせている。何言ってんのこいつ。シャレになってねえから笑えねえよ。  でもいつか、笑いを堪えて震えるとか。感動する映画とか見て肩震わせて泣くとか。俺が放り捨ててきた喜怒哀楽には、震える行為が絶対についてくる気がする。一人じゃ無理だったけど、こいつと一緒ならそれができるだろうか。 「とりあえず」 「うん」 「友奈に恋に落ちて震える日も来るのかな」 「え、何言ってんの? 頭大丈夫? お腹空いてる? スイーツ食べ放題行く?」  ……。 「しょうがない、私が奢ってしんぜよう……いひゃいいひゃい! あんでつねるのはー!?」  なんなんだ、こいつ。本当に。  イラつきつつも嬉しくて、震えそうになる。
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