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その時、わたるはなにかの気配を感じた。目の前の窓を見ると、ひとりの男が窓の外からわたるたちの様子をのぞいている。
「きゃあああっ!」
わたるは男を見て思わず叫んだ。修一と泰然もわたるが見ている方向を見る。
「不審者だ! 俺、あいつをとっつかまえてくる!」
泰然がすかさず玄関まで向かう。こういう時、彼は警察官の修一よりも行動が早い。
泰然はすぐに戻ってきた。しかも、外にいた男を連れている。
「安心して。この人、悪い人じゃないから」
男も泰然と同じ食霊のようだと、わたると修一は男の体から放たれている光で気がつく。泰然は突然の訪問者をダイニングの空いている席に座らせる。
年齢は五十代半ばといったくらい。髪は薄く、ずんぐりとした体型をしている。
わたるは家に客が来た時はいつもそうしているように、男のためにコーヒーを淹れた。
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