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第二話 青春に流行りの食べ物あり
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女子高生の体は光っていた。身長は百六十一センチメートルのわたるより十センチメートルは高い。ショートカットの髪型で、シャープな輪郭をおおっている。わたるは彼女の見た目に神秘的な印象を抱き、少し見とれた。それは決して彼女が非科学的な存在だからという理由ではないからと(同じ幽霊でも、泰然をそんな風に思ったことはないのだから)。
「お姉さん、食霊ですよね? なにかお困りではありませんか?」
わたるは女子高生に歩み寄り、声をかける。見知らぬ彼女は人間じゃないといえど、どうしたらいいのか迷っていそうな人物は放っておけない。食霊で成仏の手助けを求めない者はひとりもいないと、わたるは考えている。
「あ、あの、私のことが視えるんですか……?」
「はい。ちなみに、こちらの彼も食霊です」
「どうも」
わたるの話に合わせて、泰然が女子高生に会釈する。
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