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「もっと大きいサイズでも売ってほしいなあ」
泰然が豪快な音を立ててすする。食欲旺盛な彼はあっという間に飲み干した。
「ちょっと、うるさい。もう少し上品に飲んでよ」
「あはは」
泰然とわたるのやり取りに佐英梨が笑う。
「まだまだ序の口だ! 次は食べ物にしようぜ!」
泰然の指示でわたるがあるものを買いに行く。誕生石チョコレートというものだった。
「これも今話題のチョコレートらしいぜ」
「わあ、私、チョコレートが好きなの。見た目もいいね」
佐英梨が手をあわせてよろこぶ。片手で持てる大きさの透明の袋には、ひと口サイズのチョコレートがたくさん入っている。誕生石にちなんで、全部で十二種類の味が入っていた。六月や八月など、誕生石が複数ある月は一種類だけ入っているようだ。誕生石がわからない人のために、各月の誕生石の一覧を載せた用紙が袋の中に一枚入っていた。
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