第二話 青春に流行りの食べ物あり

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 5  二日後。学校の授業が終わってから、わたるは佐英梨を自分の家に招いた。 「わあ、素敵なおうち。私、友だちの家に招待されるのも夢だったの!」 「住宅ローンが後三十五年残っているんだって」  泰然が言う。 「そういうことは言わなくていい」 「ふふふ」   わたるの注意に佐英梨は笑った。三人はエプロンを着てキッチンに立つ。 「今からみんなで高級チョコバナナを作ろう」  わたるは佐英梨をよろこばせようと食材をそろえていた。おもな材料となるバナナと板チョコレートはどちらも高級品だ。まずはひとり一本ずつバナナの皮をむく。 「このバナナ、皮まで食べられるんだって。皮は俺が食べるね」  泰然が顔を上げ、口を大きく開けて、上からバナナの皮をまるごと入れる。それを三回くり返した。その姿は食事というより捕食だ。 「うわっ、下品な食べ方」 「あはは」  その食べ方にわたるは引いたが、佐英梨は笑う。
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