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「やったー!」
泰然は両手を挙げて喜ぶ。
「……」
わたるはそんな彼を冷めた目で見る。こいつは他人の家に住んでいるという自覚がまるでないな、と。幽霊が視えない容子には、泰然のことは隠している。もっとも、神や霊の存在を信じる容子が知ったところでおどろきはせず、「早く言ってくれればよかったのに。お菓子も三人で分けるなら足りなかったでしょう?」と言うだけだろう。ただ説明がむずかしいので伝えていないだけだ。
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