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オチあたま
気がついただろうか。
オチを最初にもってくる試み。
おちけつではなくオチあたまだ。
そして私の作風にはオチがないので身構えずに読んでほしい。
年始に家族がやってきた。
子どもたちにはやさしく、大人にはしょっぱい日だ。
おとしだま授与式を終えて、みんながくつろいでいる。
一番下の姪っ子(四歳)が、母親である妹になにやら耳打ちしている。
「おかあさんかわいい」
義弟もすかさずお父さんはと尋ねる。
「おとうさんかっこいい」
じいさんもばあさんもそれぞれ心温まることばをもらって嬉しそうだ。
甥っ子は、聞かなきゃいいのにぼくは?とはしゃいでいる。
姪っ子は振り向きもせずにこたえる。
「どうでもいい」
もっとよせばいいのに私も聞いてみた。
姪っ子はとろけそうな笑顔と甘い口調で冒頭の台詞を述べた。
これはいわゆるアレだ。
私を殺す魔法。
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