西 令草さん

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西 令草さん

昨夜、西 令草さんが10月18日に旅立たれたと、親族の方が知らせてくださいました。 このあまりになまぬるいブックの中でこのことを書くことに躊躇もしました。 でも、西さんの企画で作ったものですから、これでいいんだと思っています。 西 令草さんのお名前はたぶんずっと前から知っていたと思います。 顔の広い目立つ方ですからね。 けれども西さんと私の交流は本当に短いものでした。 とんでもない、普通の人は起きてない時間に依頼がくるんです。 激務の間をぬってみえてたんです。 私はロングスリーパーですから常に寝ていますが、依頼が届く時には不思議と起きておりました。 これを書いてほしいという題材ははっきり決まっておりましたし、どういうふうな感じでというのもしっかり伝えてくださいましたのでのびのびと書かせていただきました。 ところが、お渡しする時にはもう西さんのご希望とはまったく違うものになっておりました。 常人ならば書き直してくれと苦情がきちゃうレベルです。 西 令草さんはご存じの通り、その私が書いた拙いタイトル文字にぴったりな物語を紡ぎ出してくださいました。 語彙の豊かさ、考え、知識、器用さ、温かさ。 何をとってみてもちょっと地球人離れしていました。 悲しいです、悲しいんですよ。 でも、私も半世紀生きてますから、旅立つのは痛み苦しみから解き放たれることだとも知ってるんです。 涙顔ではなく少し微笑みながらその後ろ姿をみおくってあげたいのです。 文字を書くと、やっぱりぬるくてよくわからない感じになってしまうんですけどね。 がっちがちのかしこまった道じゃない。 宇宙の道理みたく難しいモノでもない。 西さんはみんなを解き放って遊ばせてくれたり、たのしませてくれる道なんです。 西 令草さん。 どうかしばしゆっくりおやすみください。 いや、実際はもう絶対何か忙しく動いちゃってるに違いありませんが。 なまぬるく見守っててくださいね。197cd9d6-f984-4ae2-85fe-e1c735a90a0b
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