第九章 Side豪

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 都心の夜景を堪能しつつ、背後から身体を交えた後、吐精したコンドームの処理をしても、まだまだ聳り勃っている俺のモノに二つ目の避妊具を被せた。  ソファーに横になり、奈美が上になるように言うと、彼女は騎乗位の体勢でセックスした事がないと言う。 (奈美は俺に出会うまで、マジでセックスの経験が皆無に近い状態だったんだな……)  そんな事を考えつつ俺がリードしていき、どうにか挿入できたが、俺に見上げられているのが恥ずかしいようだ。  まずは俺が彼女の細い腰を掴んで前後に動かし、慣れてきた頃には、今度は奈美が自分の好きなように腰を動かして、と伝える。 「はぁっ……はあっ…………ううっ……ああぁっ」  俺の脇腹に手を突き、覚束ない様子で腰を振りながら羞恥に染まっている表情と喘ぎ声が可愛い。  膣の中の肉波が俺の肉竿をキュウっと抱きしめてくる。  その瞬間に迸った圧倒的な快感。堪らず俺は腕を伸ばして、彼女の双丘を揉みしだいた。 「ああぁっ…………それっ……はうぅ…………気持ち……い……いっ」 「なら、これはどうだ?」  奈美の腰を掴み、膝を立てて下から突き上げた。 「ああぁぁっ……いっ…………はあぁっ」  俺の律動に合わせるように上下に揺れ動く、形の綺麗な乳房。  愉悦の渦に呑まれ、顔を赤らめて痴態を晒す奈美がいやらし過ぎる。 「…………いい眺めだ」  唇を歪め、俺の上に跨って腰を蠢かせる奈美を見上げた。 (元彼と別れて以降、セックスの経験は無いって言ってた奈美だけど……気持ちいいところは自分が一番よく知っているって理由で自身を慰めてたんだよな……)  不意に、俺の中に湧き上がった(よこしま)な欲望。  俺がこの欲望を言ったら、また彼女を傷つけ、苦しめ、泣かせてしまうかもしれない。  だが、いつか俺だけに見せてくれた彼女が自身を慰める行為は…………すごく……可愛かった。  奈美の手首を掴み、繋がっている部分へと導きながら俺は腰を上下に振り続けた。 「奈美。俺に突かれながら…………自分で慰めてる所……見せて」 「いっ……やぁぁ…………恥ずかっ……し……いっ……」  やはり嫌と言われてしまった。あの時は、女の自慰行為に単に興味があっただけだったし、彼女を蔑むような思いがどこかにあったのかもしれない。  だが、今は違う。  愛しい奈美の、俺だけにしか見せない官能的な部分を見たい。彼女に哀願するかのように俺は言う。 「俺しか……見てないから…………見せて」  奈美はおずおずと、自身の乳房を揉みしだき、トロトロになった艶玉を撫で始めると、俺は彼女の自慰行為を見上げながら腰を振り乱した。 「はあぁっ……んっ……あっあっあっ……」  俺に跨り貫かれながらの自慰行為がよほど気持ちいいのか、奈美が我を失ったように喘いでいた。 「奈美…………やらしくて……すげぇ可愛い……っ…………うっ……はぁっ……」  更に腰の律動を早め、肉塊を奈美の最奥に打ち付ける。 「…………絶景だな……」  淫靡なリズムに合わせて、更に揺さぶられる奈美の膨らみ。  細い指先で濡れそぼった陰核を弄り啼き続ける彼女に、愛おしさとオスとしての支配欲がせめぎ合う。 「ごっ……ごう……さ……んっ…………っ……ああぁっ……感じ……ちゃ…………ううぅぅっ」  剛直を締め上げ、圧巻の愉悦が身体全体を駆け抜けながら、俺の顔は快楽と苦痛が混じった表情になっているのを感じた。 「ああぁぁっ…………いっ……っ……んああぁぁっ——」  達した奈美はそのまま俺の身体に倒れこみ、吐精感を感じた俺は小さな身体を掻き抱きながら激しく腰を突き上げていく。 「ぐっ……奈美っ…………ヤバっ……いぃっ——」  白桃のような尻を抑え込みながら俺は果て、ドロリとした穢れをゴム越しに注ぎ込んだ。  繋がった状態で体勢を逆転させると、奈美の唇に自身のそれを重ねる。  惚けた表情で上を向いたままでいる奈美を横目に、コンドームの処理を済ませた後、俺はそっと彼女を抱きかかえ、ベッドルームへと向かった。
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