先の見えないトンネル

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「君の母親は現在の君の写真を持っているのか?」 「ううん」 「最後に君が母親と会ったのは?」 「小学校の卒業式」 「って事は現在の君の髪型を知らないって事か?」 「うん」 「トー横にはいつもキャップを被り、マスクをつけていたはずだが」 「素顔を覚えられたくなかったから」 「なら、大丈夫だ。君は何も心配しなくて良い」 「誘拐にならない?」 「ならない様に柴田先生が上手くやってくれるだろう」 渚さんと会話していく内に冷静になるのが分かる。 榊の事も解決していない今は、私が1人で行動するのは危ない。 それにママにも見つかる訳にはいかない。 1番嫌なのは、渚さんと離れる事だ。
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