先の見えないトンネル

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「取り敢えず、中に入れ」 渚さんに支えられ立ち上がり、リビングに入ってからラグの上に座る。 『飲め』と言われ渡されたキャップが外してあるミネラルウォーターのペットボトル。 「単刀直入に聞く。 あの女は母親なのか?」 渚さんの言葉を聞いて頷く。 間違いなくママだった。 「少し厄介になりそうだな。 まぁ、柴田先生が上手くやってくれてるはずだが、身を隠す必要があるかもな」 ミネラルウォーターを少し飲んだ私は俯く事しか出来ない。 それは渚さんと柴田先生に迷惑をかけてしまうから。 「君は何も考えたくて良い」 「えっ?」 「考え過ぎて爆走しそうだから」 確かに、それはあるかも。 内心では、渚さんと離れ遠い所に行きたいと思っているから。 だけどやはり考えてしまう。 ママはどうして警察署に来ていたのかと。
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