先の見えないトンネル

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玄関のドアが閉まった音が聞こえた様に思え、リビングに繋がるドアを開けた。 渚さんの姿がない。 もしかしたら、柴田先生と出かけたのかな? なら、今からトー横に行く? 駄目だ。 このマンションの近くにある駅が分からない。 ドアを閉めてからベッドサイドに座る。 本当は、もうトー横に行く理由はない。 沙羅と美咲の件は柴田先生と渚さんに任せるしかないんだ。 自宅にお金を取りに帰るつもりもない。 持ってきたお金があれば充分。 今は。 沙羅と美咲の事が解決したら、渚さんと別れる事になるのかな? 私は渚さんの恋人ではない。 曖昧な関係。 私が考えるとどうしてもマイナスの方向にいってしまう。 まるで先の見えないトンネルに迷い込んだ様に思え、寒気を感じた。
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