つるっぱげ獣人王子と毛むくじゃら王女

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 まず、ヴェリスタン王国にいるシャデウスを見た人々は、その圧倒的な肉体美に魅了されました。鍛え上げられたその体は力強さとしなやかさを持ち合わせており、その堂々たる姿は彼の武勇と威厳を示しています。  そして、レイラを見たライオニア王国の獣人たちもレイラが持つ美しい毛並みに大変魅了されました。その艶やかな毛並みは光沢があり輝いていて周囲の空気までも明るく彩るのです。  二つの国は二人を地下牢に閉じ込めておくなんてとんでもない事だと、速やかにそこから出してあげました。そして温かく迎え入れてはもてなしたのです。  これを見た邪神は大変不満に思いました。どうにかして争いを起こさせようと更に策略を練りました。そこで次なる一手として、ヴェリスタン王国には猛獣を放ち、ライオニア王国には豪雪を降らせたのです。邪神は二人の存在が災いを引き起こすのだと、そう思わせるよう仕組んだのですが、それは全く別の方向へ進む事となりました。  シャデウスは襲いかかる猛獣たちを片っ端から倒しては人々を懸命に守り抜き、そしてレイラも、そのぶ厚い毛皮で獣人たちを寒さから必死に守ったのです。
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