奇跡の子

9/20
前へ
/336ページ
次へ
「……ん……ぅっ……あ、あれ? 僕生きてる?」 「まぁっ……! 洋亮(ようすけ)ちゃん! 洋亮ちゃん! あぁ、良かった、本当に良かった!」 なんと、ボロボロだった子供が元気に目を覚ましたのだ。 母親は感動して涙を流し、それを見ていた周りの召し使い達も驚きの声を上げていた。 “ティアナ様の力は本物だった!” “ティアナ様は奇跡の人だ!” たちまちそんな噂が国中に広がり、ティアナは一躍有名人に。 「ありがとうございます、本当にありがとうございます!」 (私の力が、役に立って良かった……) 泣きながら喜ぶ女性を見て、ティアナはもっと人の役に立ちたいと考えるようになった。 それが、自身の首を絞める事になるとは知らずに……
/336ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加