サーシャの日常

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サーシャ・ルゥとフィアナ・エネット。 2人は回復魔法の授業が一緒で、挨拶や軽い会話をする程度の仲だった。その授業でしか会わないので、特に親しくなることはなく、顔見知り程度の認識のまま。 そんなある日、エレオノーラが珍しく店に来たので立ち話をしていたところ、フィアナも店にやって来た。 フィアナはエレオノーラが来ているとは思わなかったのだろう。エレオノーラを一目見た後、顔を真っ赤にさせて逃げるようにして去って行ってしまった。 あっけにとられるサーシャとエレオノーラ。 何が何だかわからなかった。 エレオノーラは「気にするな」と言ったけれど、サーシャはフィアナのことが気になって仕方がない。 授業の時に、直接本人に聞いてみることにした。 「あの、エネットさん」 「は、はい!!」 サーシャの予想の倍以上の声で返事をされた。 フィアナは急に声をかけられて驚いた様子だが、予想外の声量にサーシャも驚いた。 だが、相手に不快感を与えないよう、自分自身を落ち着かせながら話を進める。 「エネットさん、先日お店にいらっしゃいましたよね。 すぐ帰られてしまいましたが、何か御用でしたか?」 「あ! その節は、大変失礼致しました……」 「いえいえ、お気になさらず。エレオノーラ様も気にしていないようでしたし」 「ありがとうございます……さすがエレオノーラ様、なんてお優しい……」 「ですよねぇ。あの方は、私にもお優しくて……」 このサーシャの一言のあと、2人の間に一瞬の沈黙が流れた。 お互いの出方を探るような空気。 店で会った時の様子と今の短い会話の中で、サーシャはフィアナに対して感じるものがあった。そこで、彼女はサーシャの思った通りの人物か探ってみることにした。 「あの、エネットさん。よろしければ、今日の放課後などお茶でもしませんか」 フィアナもサーシャと同じ気持ちだったようだ。 「はい、ぜひ。私、ルゥさんとは仲良くなれそうな気がしております」 「私も同じ気持ちです」 こうして2人は仲良くなった。 その日の放課後、どんな会話をしたのかはお察しの通りである。
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