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2人がエレオノーラに関して意気投合してから数日後、「この小説に登場するキャラクター、きっとルゥさんのお気に召すかと思います」とフィアナが貸してくれたのが「聖なる乙女のラブソング」である。
フィアナの読み通り、サーシャは小説にハマった。
今日も「聖なる乙女のラブソング」の3巻を借りるために、フィアナと会う約束をしていたのだ。
フィアナは「では早速、お約束のものを」と、綺麗にカバーのつけられた本をサーシャに手渡す。
サーシャは「お借りします」と恭しく本を受け取った。
先日出版されたばかりの3巻。フィアナは発売日に学校から外出許可をもらい、学校が終わった後に買いに行ったらしい。ものすごい行動力だ。確かに、この学校から町まではそう遠くはないが、休日を待たずに買いに行ったところがすごい。
本を借りるという用事は終わったが、それだけの為に会うのも寂しい気がする。
「フィアナさん、お時間あるようでしたらお店に来ませんか。今日は商品が売り切れてしまったので、店じまいなんです」
「嬉しいです! ぜひお邪魔させてくださいませ」
サーシャの誘いに、フィアナは嬉しそうだ。
その明るい表情を見て、サーシャも嬉しくなった。この前レイヴンがくれた焼き菓子があるので、それをお茶菓子にしよう。
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