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「いや、バカなの?」
「もう少しオブラートに包んでくれない?」
帰るなりソファーにうなだれる私の頭を、ユナがちょんちょんと指でつつく。
「一日だけとはいえ、それもお菓子に釣られて好きでもない人と付き合うなんて……。期間限定に弱いったって限度ってもんがあるでしょ」
「うー、竜太郎には言わないでよ……。絶対バカにされるんだから」
「言ったら面白そうだけどねー。って、うそうそ」
起き上がって睨むとさすがに、まずいと思ったのか、ユナは慌てて両手を振る。
「でも初美ちゃんとかアキちゃんにはバレてるでしょ」
「バレてるというか、現場見られてたみたい……。ったく、来るなっつったのに」
「そりゃお姉ちゃんが告白されるなんて、誰だって気になるって。でもさ、その人面白いよね。期間限定に弱いところが好きだなんてさ」
「単なる変人でしょ」
見た感じ普通の人かと思ってたけど、ああいう奴だったとは。
「よかったね、お姉ちゃん。物好きな人がいて」
「否定はしないけど、あんたに言われたくないわ」
とにかく明日は園川との最初で最後のデートの日だ。
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