くしげ

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くしげ

「は、ぁっ、嫌っ、堪忍っ、して……」 「おお、おお、もうここが真っ赤に熟れて固くなっとる。わしんとこのおっかあより美味そうな色じゃ」 「どんな生娘もこの器量にゃかなわんじゃろうて。場所が場所なら傾城じゃ」 「違いねえ。ほれ、珠、想像せえ、あの若様の前で、わしらの業物で後ろがんがんに掘られるやこ、さぞや気持ちがええじゃろうなあ……」  耳元で囁かれ、身をくねらせていた珠ははっと我に返り墨尾を見た。顎を取られ、無理やり辱められる珠の方を向かされている。その眸にはやはり力がない。けれど、代わりにこれまで一度も目にしたことがない闇が黒々と凝っているように見える。 「や……み、見んで、墨尾さま……」 「はは! こいつ、触っとらんのに使えもしねえ一物おっ勃てとるぞ!」 「ああ、母親も良い女じゃったなあ。てて親はどこの馬の骨ともしれんが、まさかこんな上物が生まれるとは」 「楽しみじゃなあ、おふてと珠の子。一人ぐれえは器量よしの阿呆が生まれるじゃろうて。匣になるんが楽しみじゃなあ、何されとるんかわからん阿呆じゃったら自分で死ぬこともねえ」 「……な、何を言うとる? わしは匣で無うなるんに、なんで、わしの子が? 自分で死ぬって、なんの話じゃ」
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