ここはじごく

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 ――――嵐が去った後。  あの日、注意を呼び掛けに珠を訪ねて行った男たちは、誰一人として戻らなかった。  田畑を巡回しようとして、一斉に大水に呑まれるかどうかしたのだろうと、残された者たちは涙を呑んで口々に語りあった。    何度か底をさらったが、沼からは一体の死骸も上がらなかった。  それから幾年も経ぬうちに、巨大な山津波によって村の大半が土の中に消えた。  その村は、ひっそりと潰えた。
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