まえおき

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まえおき

まずお正月のお話をする前に ちょっと注意事項がございます。 これから年取った親たちの いろんなことを いろいろ書きます。 それで ご自分がご高齢の場合は 御不快にさせてしまうかもわかりません。 まあ、読者に80代以上の方は いらっしゃらないのでは と思いますが… 数年も前になります。 通っていたヨガのお教室で 70代の一人暮らしで、とても自立し 尊敬していた女性に 母の依存のひどさ、しんどさをこぼしたら 「お母様はあなただけが頼りなのよ、わかってあげて」 と言われました。 母が私だけに、べーーーったり依存すること そんなこと 5歳の時から知っていて 子供の頃から50年間、 結婚しても背中に背負ってきて (ぽんちゃんは私を不憫がって許してくれました) 未だに、 母に出来るだけののことは 心底やってあげたいと思ってる。 だから苦しいのに……… あの自立してる大人の女性に わかってあげて、と言われるとは思わなかった! そして母も、外からは 自立したシッカリした女性に 見せていたことを思い出した! そう言われて以来、私はつらくなって ヨガ教室に行けなくなって、やめた。 相談した彼女は、はたから見たら自立してたけど 自分も誰かに頼りたい老人に過ぎなかったんですね。 もう一点のcaution! ご高齢の親御さんを亡くされたばかりの方は 私の書くことを不快に感じる恐れあり。 これも私が実際した過去の体験。 10年前、父を見送る寸前でした。 その頃、両親は経済的な理由で東京の家を離れ (私にはまったく無相談でした) 近県の、奥の奥の一軒家に引っ越していました。 世田谷の私の家から 引っ越した親の家は 片道2時間以上かかることになっていたのです! 私たち夫婦に頼る気満々なくせに 何の相談も無しの引っ越しでした。 悪いわねえ、と口で言いながら 遠いなんて 通うの当たり前でしょ、子供なんだからという 態度でした。 それでも私は月に一度は行って まだまだ元気で強権的な母の手足になった。 自分の家には 受験生の息子、病み上がりの夫も居ても。 母にとって、私は 絶対嫌と言わない自慢の「親孝行娘」 🟰「言いなりのなる自慢の人形」 なのですから。 ある日、 父の手術の予定の概要を主治医に訊きに行きました。 母は全く冷静に聴けなかったので 代わりに行ったのです。 話を聴き終わり 父の病室を見舞い、じゃあ、また来るわね ありがとうな、と父と仲良く話してると 父の主治医だった40才くらいの男性医師が 病室を一緒に出るなり私に 「東京に出て行くのは自由だけど薄情ですね ご両親をもっと大切になさってください お父様はもうあまり長くないですよ」 と、父が拒否したチタンの人工関節を掌で撫でながら 無表情で言われたのです。 え、なんのこと? 医師が行ってしまった後私は困惑し だんだんと、 怒りと傷みが混ざった気持ちに襲われ 足が硬直してしまいました。 顔見知りの看護師さんに 先生に言われたことを伝え 私って薄情な娘なんでしょうか と真顔で訊いてしまった。蒼白だったと思います。 私には、親不孝だと言われることが なぜだか一番恐ろしいことなのです。 (子供の頃からの刷り込みでしょうね) どうやら医師は 私と両親はもともとこの辺りの人間で 私が大人になって 東京に出て行ったと思っているらしかった。 もっと言えば、私のことを若く見ていて 体力にも経済的にも 余裕があるように見えたらしい。 (実際はすでに40代後半でした) いやいや、 元々、親の家が世田谷だから 私も世田谷に家を買ったのに 転勤してるうちに 無断で親に引っ越されたのは、 私の方なんだけど!💢 看護師さんは笑いながら 気にしないでいいですよ ○○先生は、先週お母さんを亡くされたばかりなのよ ご自分がお仕事で忙しくて最後会えなかったし 自分に後悔があるからあんなこと言ってるのよ と、話してくれました。 やつあたりかよ! でも私は笑えなかった。 心が傷ついて 薄情、という言葉が 心に突き刺さって… ふじのんが薄情な娘なら 世の中の娘はみんな鬼だよ むしろもう少し冷静に考えた方がいいよ と、ポンちゃんは言ってくれたけど。 とにかく コレから私の書くもので 誰も傷付けたくないし 不本意なことも言われたくない。 年老いた親問題は 打ち明ける相手を選ばないと 相手も自分も傷つくデリケートな問題。
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