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ドラッグストアの経営
3
「今回は、夏にオススメのご飯特集!!」
ラジオの如く付けっぱなしにされたテレビから、妙に明るく騒然とした声が響く。
秀潤(しゅうじ)は30歳にもなってフリーターで、段々と毎日に嫌気がさした頃合いだった。友達は課長、部長と昇進してる中、自分は腹の大きさだけが昇進。暗がりに入り込んで忘れられた、玩具のような孤独感に浸っていた。
「なんだこれは」
携帯をいじっていると、協力してくれる人を募集している掲示板を見つけた。
「ドラッグストアの創立?」
億劫そうな口調で言ったが、内心では少し惹かれていた。ひとまず、電話をかけてみる事にした
「もしもし?秀潤と申します。ドラッグストアの記事を拝見しまして…」
「大変嬉しいです、現在深刻な人手不足で…」
優奈は間髪いれずにそう話した。
「そうですか。お力になれるか分かりませんけど、携わりたいです」
頑張っている人間を見ていると、援助せずにはいられなくなる。溝に捨てたようだった人生が、輝きを取り戻すかもしれない。
「分かりました、とりあえず資金が足りないのでできる限り持ってきて貰えませんか?」
顔が強張った。無論フリーターだ、金欠である。ここで引き返すわけにもいかないので、とりあえず財布や貯金箱などから虱潰しに探った。
「はい、分かりました。」
「xxxへ至急来て下さい、お願いします。」
そう告げて、電話が切られた。
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