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服を着替えて、ドアノブを握った。外の景色を見たのはいつぶりだろうか。しばらくすると、前方に外国人らしい女性と、顔立ちのいい如何にも清楚な成人女性が現れた。
「こんにちは」
「ああ、こんにちは…」
「すみません、先程はぎこちなくて。事業をした経験がなくて…」
「いや、全然大丈夫ですよ」
「後、私の名前は優奈。そして彼女の名前はミナです。」
「よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
彼女は出稼ぎに来たのではないのか?まさかドラッグストアを経営しようとするなんて。
「今のところ資金は、私とミナちゃん、友達のを合わせて計74万円です。」
秀潤は我に返った。
「ああ。すみません、僕は5万2000円です…」
「いえいえ、全然大丈夫です!」
羞恥心に襲われたが、冷静に考えて約80万もあれば全然出来そうである。
次のステップに踏み込んだ。物件探しである。狙いは、安価なボロい物件を借りて改築する事だ。3人は、月が顔を出した後もずっと探し続けた。
「夜分遅くにすみません、そちら宮島物件であっていますか?」
「はい、どうなされましたか?」
「そちらの物件お借りしたいのですが…」
「はい、もちろん大丈夫です。ただ改築不可です。」
「そうですか… 綺麗に壁紙を貼り直したいのですが」
「申し訳ございません、こちら側にも理由があって…」
中々お目当ての物件を見つけることが出来なかった。時刻が0時を上回った頃。
「すみません、そろそろ帰ります」
「ありがとうございました、お気をつけて。」
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