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「あ、先輩だったのですね。わ、わわ私は衣笠龍鳳です!普通陰陽科の一学年で、です!」
3学年と聞いて強者の雰囲気があるのは納得したが自分よりも高く年上の人間に出くわして緊張で詰まらせてしまった。
「ど、どこか具合でも悪いんですか?」
「い、いえ!そんなことは。は...!」
美幸が心配そうな表情でさらに近づいて龍鳳の頬に手を当てた。
「むむ?」
「いい、いえ!ただ、入学したばかりでその...」
「家に帰ろうとしたら雲外鏡にそのまま連れられた。ってことですね!」
「え?」
「ごめんなさい、ありがとうさとりさん」
「はぁい」
美幸の背後から黒髪の少女が現れたそのまま黒いモヤと共に消え去った。
「い、今のはさとり妖怪ですよね?」
美幸が完全に自分の心を読んだ時に心底驚いた。原因は先程のさとり妖怪の力によるものだった。
「ええ。式神にはしてないけど」
式神とはそれぞれの陰陽師が妖怪と契約して使えたりする例えるならパートナー的存在。
「私の式神は」
「あああああーー!?!?」
「「!?!?」」
突然爆発音の方向に駆け寄り、台所が騒がしく水浸しになっていた。それを見た美幸がゆっくりと近づきしゃがみ込んだ。
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