第2話 彼女の名は

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『褒めてつかわそう。我の弟子にならんか?』 と頭の中でリアルにも流れてきそうなセリフが浮かんだ。 「そうだ!写真撮ろう」 こんなお利口な狐が街にいるなんて珍しい、記念に撮って美幸先輩に見せてあげよう。 バッグの中を漁りようやく携帯を白狐に向けるのだが、 「あれ?お狐さーん?おきつねさーーーーーーん!!…………消えた……いや、死んだ?」 確かにそこにいた狐がいなくなっていた。白狐が来たところには焦げた跡が残っている。 不思議なことが起こった中考える暇もなく龍鳳の体内時計が鳴り響いている。 「あ〜もう……お腹すいて死ぬ……!急がなきゃ死ぬ!何やっても死ぬ……!」 お腹が減りすぎて独り言が激しくなり早歩きでファミレスに向かった。 時間通りファミレスに着いたが店が少々混んでおり、ほぼ集団でテーブルに座っているなかたった一人で大きな席を閉めるのも癪だと思ったのだが「背に腹はかえられぬ」の精神で入店した。 「何名様ですか?」の質問に「1人です」まではいいがその後の 「おひとり様ご来店!!!!!!!」 って大声で案内されるのはファミレスならではの羞恥心が込み上げた。
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