第2話 彼女の名は

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席に座った瞬間私はもちろんメニュー表を開いて顔を隠した。食べるメニューは肉の気分だったのでステーキを頼みたいのだがぼっちな上視線の的になるのが嫌なためメニュー表で顔を隠すのを続けた。 (……みんな私の噂……しているかな?) ついに被害妄想をするようになってしまった。だがあるあるだろう。ひとりぼっちの思考ではいざ周りを見渡すと謎にコソコソ話している女子たちに目が合ったり過剰に耳が反応して自分の噂なんじゃないか?と思い込んでしまう。 だがやはりお腹が減っては何も始まらない。ここで餓死(大袈裟)するよりかはマシだと思い虚無の状態で呼び鈴を押した。 「ご注文……ひっ!?」 「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ」 「あ、あの〜………??」 「はっ!こ、これください!!!」 変に声が裏返り変に強調もしてしまった。何とか注文をする任務(?)を終え再びメニュー表で顔を隠した。 やはり耳をすませて聞けばコソコソと噂をしているような声が聞こえる。
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