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「まず皆様ご存知の通り、先日の入学式早々、邪霧が出現したことについて」
「ふむ、新入生の衣笠龍鳳と侍科の真田美幸が助太刀に参ったことか」
ようやく口を開いたのは妖怪滝夜叉姫。長い髪だが妖力で先端が浮いている。
「ええ、それとは別に風紀委員が決して少ない人数では無いほど犠牲を払ってしまったことです」
夏蝶がいう。
「やはり、呪力銃の強化をするべきか雲外鏡をもっと活用するべきはないか?」
武尊の意見に頷くのは少数しかいなかった。
「呪力銃の強化とはいえ銃と風紀委員たちの呪力によって機能しているのですよ」
夏蝶が丁寧に説明する。
「つまり銃を強化したとて彼らの呪力じゃあ限界を超え使用者に被害が及ぶ場合がございますので」
「な、なるほど。なら力を銃の弾に変換できているのなら風紀委員自信を強化する必要があると」
武尊だけじゃないが風紀委員の呪力銃は風紀委員でしか扱っておらず、どういった機能で操作をしているかは大半分からなかった。
「ええ、しかし風紀委員たちは特別陰陽師の訓練をした訳でも無く、ましてや適性がなかったものが希望して入るもので……つまり………」
「捨て駒というわけだな」
なんの躊躇もなく滝夜叉姫は答えた。
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