第2話 彼女の名は

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「承知、兄にも伝達しておきます」 「ええ、そうしてください」 帰り際夏蝶はぼそっと呟いた。 「土御門さん、一言も喋ってなかったな…」 ◇ 「よし!1人ファミレスはクリア!」 かろうじて……なんだが。途中相席してもらったのは置いといて今日の任務はこれでクリア。このまま寮へと帰る。 しばらく歩いて帰りのバス停へ着いたのだが違和感があった。 「うん?バス停の時間が書いてない?」 それどころか日にちが全部4月4日4時44分と書いてある。奇妙で不気味なこの文字に私は徒歩で帰ることを決意した。 「帰ったら美幸先輩に報告しなきゃ」 何かがおかしいと妙な胸騒ぎと心臓の鼓動と足の歩数が揃うほど嫌な予感がする。 考えなければこんなことは起こらなかったかもしれない。 「きゃっ!?!?」 瞬間目の前が真っ黒に染ってしまった。体が浮いている。指を構え邪鬼の出現に備える。 30秒が経ったあと真っ赤に染った世界に飛ばされていた。 「ここは邪霧!?そんな、私ここに飛ばされちゃったの!?」 すぐさま雲外鏡を呼び出す札を放つつもりが札を置いてきてしまった。 「こんな時にぃ!?」 雲外鏡から脱出しようと鑑みたがここの邪霧は肺が潰されそうな勢いで長居はできそうもなかった。開錠札を使って脱出をすることを決意。 「っ!?!?」 突然爆発音が鳴り響いた。
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