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「ま、まあまあ。最初から業者に頼むべきだったから大丈夫だよ」
結局美幸が投げた札のおかげで一時的には水が溢れることはなくなったが水道は当分使えることはなさそう。お風呂も...。
「それじゃ、これで私は失礼します」
「はい。お気をつけて」
丁寧な一礼をすると稲は部屋から立ち去った。
「さてと」
「ん、美幸様..ッ!?うっ、い〜〜」
白狼天狗の頭にゲンコツを食らわせた。 目の前で平気で妖怪にゲンコツなんて龍鳳は驚いた。
「いけませんよ、白奈。確かに私があなたに水道管修理を任せたのが悪いのですが、何も考えずに白刃を立てるなんてことはいけません」
「で、ですが美幸様!あのままじゃ詰まったまま水が流れさらに被害が...」
「ならそこに捻る装置があるだろう。そこで時間稼ぎでも出来て私に報告すれば直ぐに修理班が来るだろうに」
「.........すみませんでした」
じゃなきゃ今回の出来事で修繕費がさらに増えてしまい学校側の負担になってしまうのだ。
「おお、妖怪にゲンコツだなんて見たことないです」
「うぅ......痛いです」
「あ、そうでした。この者が私の式神、白狼天狗、名は白奈というそうです」
「こ、こんにちは白狼天狗の白奈と言います...うぅ」
白奈と名乗った白狼天狗は人間の顔をしていて名の通り狼の耳が生えてしっぽが生えている。背中には刀を背負っており白色の肌に膝下まで長い足袋を履いている。
「ああ、どうも。衣笠龍鳳です」
正直気まずさが隠しきれなかったが痛そうにしている白狼天狗を見て美幸を怒らせては思った。
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