終わりなき関係

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だが、この繰り返しの現象について、解ってきたことが幾つかある。 ①三人のうち懐中時計を使い、時を巻き戻した人間は【過去の記憶をもったまま】人生をやり直せる──今回の場合は、深亜だったようだ。 ②懐中時計は、記憶の有る無しに関わらず、榛人が直している。 ③三人のうちの誰かが【死んだ事実】を知ったとたん、残りの二人もいままでの記憶がよみがえる。 そして、三人の死因。 深亜は『急性心不全』、玲音は『自殺』、榛人は『交通事故』もしくは『自殺』。 「いっそ僕と榛人が付き合っちゃう?」 「は? なぜそうなる……」 「だって僕が深亜と付き合うと、榛人は決まって事故ってパターンが……2回? 3回だっけ?」 「……4回だな」 記憶をたどるように上を向いた玲音が指折り数えるのを見ながら、榛人は溜息をつく。 「で、榛人と深亜が付き合うと、僕さびしくて死にたくなって自殺しちゃうし」 「いや、死ぬな。お前が死ななければ万事解決だ」 「榛人、冷たい〜。僕、榛人のお葬式、いつも涙が出るのに〜」 非情に相手を切り捨てるセリフだと榛人自身も思うが、何しろ繰り返す回数が増えると人の生き死に対して鈍感にもなる。
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