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最初は苦い気分になるゲーム中の『キャラクター』の死も、リセットを繰り返すうちに心に刺さらなくなる冒険RPGのように。
(深亜の死には……なかなか慣れないがな)
深亜が望むならと、彼女が二人の【どちらも選ばない】人生を尊重しようとしたが……結果は、これだ。
深亜が榛人も玲音も【選ばない】人生を選ぶと深亜自身が死んでしまうのだ。
その話はすでに深亜にしているのだから【選ばない】はずはないと高をくくっていると、思いだしたように、彼女は【この道】を選んでしまう。
「僕は深亜と一緒にいたいだけなのに〜。ヤダよ、ずるいよ、二人だけ幸せになるなんて! 耐えられるワケないじゃん!
……あ、待った」
駄々をこねる玲音をよそに思考に耽っていると、突然、何かひらめいたように玲音が立ち止まる。
「なんだ?」
「僕、毎回自殺で死んでるから、自殺しなきゃいいんじゃん!」
「だから、そう言ってるだろ」
何かと思えば、と、あきれながら榛人は玲音を置いて先を行く。
ところが、玲音は榛人の前へと回り込むと、目を輝かせて言った。
「違うよ! 【三人が】付き合えばいいんだよ!」
「は……?」
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