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  ◇  戦車の砲撃の音が、山の向こうから木霊してくる。  戦闘機。レールガン。ミサイル。日本の持ち得る最新鋭の戦闘技術が、巨大な円盤めがけて止め処なく放たれていた。  ススキの揺れる丘を駆け上がりながら、横目で戦況を窺う。  地球側の猛攻を受けてか、標的の随所からはもくもくと白煙が上がっていた。それでも何も影響がないように見えるのは巨体ゆえだろうか、はたまた単純に損傷が薄いのか。素人の私には何の判断もつかなかった。  不安を払拭しようと、鞄を胸の中でぎゅっと抱きかかえる。固い感触がみぞおちの辺りに深く刺さる。その微かな痛みが今の私の道標となってくれた。  早く、行かないと。  さっきの光の玉も単なる前哨戦のつもりなのかも知れない。そうなれば、もしあの機体の中に大本の兵器が隠されていると仮定すると、今度こそ跡形もなく吹き飛ばされる。私の身体は木っ端微塵になるし、恐らくあの場所も消失してしまう。  それだけは、本当に嫌だ。  深く息を吐いて、真っ直ぐと行く末を見据える。  今はただ、私はあなたに会いたい。
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