宣告

3/5
69人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
 「好奇心で行きたいわけではないです。  ……直接会いたいんです」  彼女との事情をまったく説明していないのに頷かれた。不審げな俺に、寺竹管理官が返してきた。  「貴方達のことは把握してましたので、驚きはないです。  でも、P1から3までとは違います。行けば帰ってこられません」  「え……」  修学旅行では、一番近い並行時空-P1へ行った。違う時空に与える影響を最小限にする以外の指示はなかった。  実際、問題なくこちらに帰ってきた。  確かに、時間が逆に流れているから、他の時空へ行くよりも大変なくらいは予測できた。  でも、二度とこの時空に帰れないとは……  「逆行時空とこちらは現在、技術レベルがほぼ同程度です。なので、生活自体は問題ないでしょう。  自分の人生を折り曲げることを(のぞ)けば」
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!