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「好奇心で行きたいわけではないです。
……直接会いたいんです」
彼女との事情をまったく説明していないのに頷かれた。不審げな俺に、寺竹管理官が返してきた。
「貴方達のことは把握してましたので、驚きはないです。
でも、P1から3までとは違います。行けば帰ってこられません」
「え……」
修学旅行では、一番近い並行時空-P1へ行った。違う時空に与える影響を最小限にする以外の指示はなかった。
実際、問題なくこちらに帰ってきた。
確かに、時間が逆に流れているから、他の時空へ行くよりも大変なくらいは予測できた。
でも、二度とこの時空に帰れないとは……
「逆行時空とこちらは現在、技術レベルがほぼ同程度です。なので、生活自体は問題ないでしょう。
自分の人生を折り曲げることを除けば」
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