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別離
翌日の早朝、人目を避けるように時空管理局へと向かった。
覚悟の失踪と分かるように、家にあるものはすべて処分した。そして、移動時に目立たないように、管理局に近いホテルへ泊まった。
管理局が開くまで隠れる予定だったから、声を掛けられた時、相当驚いた。
「おはよう。
用心深いわね。合格よ。
中立の間に行きましょうか」
「中立のま?」
初めて聞く言葉を繰り返すと彼女は苦笑した。
「説明します」
言うと、寺竹管理官は施設の奥へと歩きだして、俺はついていった。
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