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宣告
「お約束は?」
受付で言われて戸惑った。
ここに来るのは二回目で、前回は修学旅行の適性検査の時。当然、俺は予約していない。
「すいません。予約はないんですけど、逆行時空のことで……」
ここで言葉が詰まったが、女性の声が割り込んできた。
「この人は私が担当します。ゲストパスを渡してください」
受付に指示する声は、かなり上の立場を窺わせる。実際、受付の女性は慌てて定期券サイズのカードを渡してきた。
白地に金文字で来客用と書いてある。
指示した女性にも同じカードが胸ポケットに留められて、緑色の文字で名前と役職が書いてあった。
管理官-管理局の幹部だ。
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