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第4章 少なくとも二人三脚と思えるくらいには
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初校ゲラが届き、すぐに修正作業を開始しようとした悠人だが、早々に壁にぶつかった。
まずは校正というものがどういうものなのかを見ようと、赤ペンは持たずにひと通り目を通すことにした。
校正者による書き込みは、悠人の感覚では決して少なめではなく、そこそこの量があった。
何度も読んでいるはずでも、誤字脱字はたくさん見つけられてしまったし、言葉の順番や助詞ひとつ変える提案も数多くあった。
これらは見てすぐに受け入れようと思えるもので、特に問題はない。
和泉さんも言っていたように、ストーリー上の大きな変更点はなさそうだった。
じゃあ悠人はなぜ壁にぶつかったのかというと、校正者の意図が汲み取れない部分がいくつもあったからだ。
例えば、時間が経つの「経」に鉛筆で丸が書かれているだけで、どう直すのかが書いていないのである。
表記の揺れの問題で、ひらがなにしてはどうかという意味かとも思ったが、別の場所で何度か「経」ととじているので、ここだけひらくことはないはずだ。
似たようなところで、あるフレーズに線が引かれているだけで何もコメントがない箇所や、チェック印だけが書かれている箇所もいくつかあった。
これらに戸惑いはしたものの、この程度なら和泉さんに聞けばすぐに解決するだろう。
しかし、それ以外にも具体的な修正案に首をかしげる場所もたくさんあったのだ。
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