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3 幼女メモリー その三
3 幼女のメモリー その三
「知ってたのんもん」
否、話し続けることをやめる方法が、解らなかった様だ。
咄嗟咄嗟に人目も憚らず、口の中にありったけの指を入れたのだ。涙目になりながらも、一連の原因に対して、うるうるとした瞳で睨みつけたのだった。しかし、原因となった当の本人は、ただひたすら可愛いと撫で回すだけであった。
そうして、時は心というメモリーに刻まれ、年月は刻々と過ぎてゆくのだ。
幼女としての幼女のメモリーは、一番乗りで着いた市民プールのプールよりも、それよりも尚、青く清く澄んだ夏だった。
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