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月光が夜の社内に差し込む、その光に照らされながら三人は黙々と作業を進めていた。決行日はあと、二日後。ここまでの努力を水の泡にするわけにはいかない、何としてでもあの課長に地獄を味合わせたくてく必死になっていた。
「夕風、蒼井。どう? そろそろ完成しそう?」
キーボードを叩く手を止め、二人と顔を見合わせた七瀬は今まで見たことがないくらい清々しい表情だった。
「あと…ちょっとでね。もう証拠はUSBに全て入っているし。負ける可能性はないわ」
「ああ、俺もだよ。長年の夢が二日後に叶うんだ、最後まできっちり確認しないとね」
「そうね。もう、勝負に勝つのは私たちだわ――」
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