苦痛

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 私、蒼井、七瀬の三人になった時、私は尋ねた。『どうしてそんなことを言ったのか』と。勘が鋭く敏感な彼女だが、普段ならここまで自分で発言することなどないからだ。 「うーん? どうしてか?」  缶ジュースを片手に彼女は冷静な眼差しで私と蒼井を見つめた。 「もし、私の考えが的中してて課長が不倫をしてて…。そしたら、私にチャンスが回ってくるでしょ? それを機にあいつと別れようかな、って」 「別れる…?」 「二人とも、課長のこと嫌いだったよね? 少しだけ協力してほしいの。失敗したら責任は私がとるわ。だから――――」 ***  七瀬の提案を聞き、私達は強く頷いた。
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